外壁塗装・屋根工事の屋根材について

 屋根は外装で一番耐久性が必要とされる部位です。日射、降雨、積雪、風圧、さらには耐震まで求められます。 そのため、屋根素材、そして塗装・防水方法には、正しい知識と選択が必要です。現在の状況によって、お客様のご希望を踏まえながらプロが判断していく事となりますので、正確な判断の出来る会社をお客様ご自身で選ぶ必要があります。

 ひとことで『屋根材』と言っても、実は様々な種類の屋根があります。それは、長年の歴史の中で日本人が開発してきた物語でもあります。 区分けの仕方も様々ではありますが、①コスト面、②お家の長期耐久性面(屋根が重たいと家が長持ちしませんもんね)、③耐候性面(日本各地の自然環境の中で劣化から守るため)、④意匠性面(見た目のオシャレ)、などによって分けることができます。

 ここでは以下の8パターンに分けてご紹介しておりますが、それぞれに特徴がありますので、順にご説明いたしましょう。

1.瓦(和瓦・洋瓦)

 「粘土瓦」は、よく古い民家や和風のお家の屋根に葺かれている、鼠色や銀ねず色の粘土素焼きの瓦です。粘土瓦には釉薬(ゆうやく)をかけておりませんが、表面の銀色がある間は雨水を弾き浸透しません。 年数が経て銀色が落ちてくると、瓦内部に雨水が浸透し劣化することはありますが、十分な耐久性を誇り基本的にメンテナンスは不要と考えております(およそ50年くらいでしょうか)。
 「陶器瓦」には釉薬をかけて焼いていますから、雨水の浸透はほぼありません。耐久性は非常に長期に渡ります。私の経験でいうと、およそ40年ほど前に葺かれた陶器瓦(甕瓦)には、釉薬がかかっていない部分から劣化が進み、粉状になっていることがあります。

 いずれも十分な耐久性があり、基本的に、「塗装」の必要はないと考えております。ただし、「棟漆喰」には新築からおよそ20年ほどでヒビや欠けが起こります。棟が下がると、雨漏りすることもありますので、その場合は補修工事が必要です。 常にズレや割れの確認を行い、重ね部分からの浸水対策を行う事で雨漏れを長期的に防いでいきましょう。

 道原塗装では、外壁塗装時にも、足場上から瓦の状況を職人が点検、問題がある場合にはお客様へ診断状況と対処方法のご提案を差し上げております。

ザ・日本の瓦屋根。男って感じが、かっこいいですね~!

2.セメント瓦

 セメントに圧力をかけて隙間から出た板状のセメント板を、瓦の長さにカットしたものが「セメント瓦」です。塗装で耐久性が左右されるので、定期的な塗替が非常に重要です。

 セメント瓦の1種である「モニエル瓦」(洋瓦)は、セメント瓦に比べて大きく厚い特徴があります。デザイン性のある瓦として人気です。
 モニエル瓦(洋瓦)は築15年前後で塗装メンテナンスが必要となります。塗装後の剥離が起きやすいため、特に注意が必要です。私達の最も気をつける瓦であり、塗装で耐久性が左右される瓦でもあります。

 塗装時のポイントとしては、劣化した粉上の塗膜(スラリー層)を極力除去する必要がありますので、十分な水洗いをして、「洋瓦シーラー」などの専用プライマーを塗布してスラリー層を固めます。道原塗装は剥離防止のため、2回塗ります!

セメント瓦はこのような瓦です!

3.スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)

 スレート瓦は、およそタテ40cm・ヨコ90cm・厚さ5ミリほどのとても軽い屋根材であり、セメントと骨材で出来ております。瓦の半分ほどを「重ねて」葺いてありますので、雨水が浸透し難く、勾配が緩い屋根でも大変重宝されております(通常の瓦屋根は「隙間」ができやすいため、ある程度の勾配が必要になります)。

 スレート瓦のグレードや費用もピンキリではありますが、一般的なスレート瓦は定期的に塗装をして、太陽光による劣化や雨水の浸透を防ぐ必要があります。 劣化が進んで、下地まで傷みが及ぶと面倒になりますが、スレート屋根は適切な「塗装」を施すだけでも下地を守ることができますので、10年を目安に塗装をされることをお薦めします。
 ちなみに、積水ハウスの家に葺かれているセキスイ瓦も、コロニアル瓦と似ている屋根材です。

余談ですが、スレートとは?

本質的に「スレート」というのは、「粘板岩を薄い板状に加工した建築材」を指していますが、 粘板岩という自然岩を活用するため高価になってしまうため、セメントに繊維素材を混ぜて薄い板状に加工して開発されたのが現在のスレート瓦、正式名称は「化粧スレート」となりますよ。

 話は戻りますが、スレート瓦の最大の特徴は、
 軽い・デザインが豊富・比較的安価
ということになります。そのため、またたく間に普及し、今の多くのお家の屋根が、このスレート瓦を乗せています。

 ただし、弱点があります。それは、
 ×割れやすい
 ×雨漏れも多い(比較的)
 ×塗装メンテナンスが必要
 ×寿命は20年~25年(と、言われています)

ということになります。ただし、現在のマーケットでは、この軽いスレート瓦を活用することによって、多彩な住宅デザインが可能であることから、重宝されている建材でもあるのです。

 道原塗装でも、屋根塗装で多いのはやはりこの「スレート瓦」タイプですし、スレート瓦の塗装工事では、建てた時のイメージとガラリと変えてしまうことも可能でもあります♪

 また、今は昔と違って、代々がそのお家にずっと住み続けるという文化ではなく、移住したり、建て直したりすることも多くなっているため、コストパフォーマンスが良い「スレート瓦」が選ばれているのかもしれませんね。

4.トタン屋根

 トタン屋根は、かつて、建材として一般的に普及した鋼材でしたが、最近は目にすることが少なくなりました。 トタンは酸性雨に対する脆弱(ぜいじゃく)性が経年劣化の原因となり、近年ではガルバリウム鋼板にとって代わられるようになったようです。

 トタン屋根の塗装では、塗装前の下地処理(ケレン作業)がとても重要です。また、トタンは「錆び」が出やすいため、下塗り剤は錆止め塗料を用います。
 当店では、錆止め塗料の中でも、二液硬化型の強い錆止めを手塗りでたっぷりと塗布して長持ちするようにしております。 ただし、錆びで傷みが激しく塗装工事が難しい場合には、カバー工法(ガルバリウム鋼板など)でメンテナンスするケースもあります。

 ※ちなみにトタン屋根は「鉄」と「亜鉛」の合金です。

昭和50年代モノの時代映画によく出てくる屋根でもあります。

5.ガルバリウム鋼板屋根

 ガルバリウム鋼板の主なメリットは錆びに強く、耐久性が高いことです。金属なのに錆びにくいのは、ガルバリウム鋼板の表面に亜鉛とアルミニウムを混合したメッキが施されているからです。

 環境条件にもよりますが、「トタン」に比べると約3~6倍の耐久性を発揮するといわれ、トタンの弱点である「酸性雨」に対する脆弱性も克服しています。また、瓦屋根とは対照に、軽くて薄い素材なので耐震性にも優れてます。最近、よく使われるよになってきました。

通称「ガルバ」と言われていますが、カッコいい屋根が多いです!

6.アスファルトシングル

 アスファルトシングルは、ガラス繊維の基材にアスファルトをコーティングし、表面に砂粒で着色したシート状の屋根材です。とても柔らかく加工しやすい素材なので、複雑な屋根の形状でも施工することが可能です。
 また、表面に施された砂粒が緩衝材の役割を果たし「雨音が抑えられる」という点も魅力の一つです。とても軽量で建物への負担も少ないため、耐震性にも優れております(一般的なスレート屋根の約半分の重さと言われています)。

 ただし、アスファルトシングルは日本であまり普及しておらず、十分な施工経験のある業者は少ないはずです。施工不良や接着剤の劣化が原因で、シートが剥がれてしまうこともありますので、台風や強風のあとは点検が必要です。 塗装時の注意点としては、油性塗料ではアスファルトの成分が溶けてしまうため、専用の水性塗料を使用します。

太平洋側では比較的少ないですね。

7.陸屋根

 陸屋根(屋上)は、RC(鉄筋コンクリート)構造の戸建て住宅で見かけます。 陸屋根では、塗装や葺き替え工事ではなく、ウレタン防水とシート防水を中心とした防水工事を行います。

 陸屋根の詳しいことは、以下のページに記載されていますので、是非読んでみて下さいね。

8.折板屋根

 折半屋根は、主に工場・倉庫で良く使われる屋根材です。車庫や自転車置き場でも良く目にします。加工しやすく工期も短いことから、工場や倉庫にはピッタリなのですね。

 折半屋根は、形状的に戸建て住宅に使われていることは少ないですが、鋼板屋根は適切な塗装工事によって、屋根の錆びを防ぎ、長持ちさせることもできますので、定期的なメンテナンスをすると良いでしょう。

大きな空間を持つ建物の屋根には最適な屋根とも言えるでしょう。

 以上が、いろいろな屋根材についてでした。道原塗装のように、長年塗装・防水工事を行っていると、どうしても、次の塗替え時期になると「屋根はもうそろそろ交換したい…」という意見も出てくるため、屋根の交換なども行っております。

 塗装工事だけでメンテナンスできるのか、屋根の葺き替えをしたほうが良いのかも、無料診断をさせていただきますので、以下よりお尋ねくださいね。

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